信州のおやきをおいしく食べよう!

信州のおやきをおいしく食べよう!

味覚は世代を越える?

【おやきの和み】には、「親子孫3世代でファンです」とおっしゃり、ご家族でご愛顧くださっているお客様が少なくありません。「おふくろの味」なんて言葉もありますが、生活文化が大きく違う現代の3世代にも、味覚の記憶が受け継がれていくものなのでしょうか。

こんにちは。【おやきの和み】の女将です。

日中はまだセミの声がにぎやかですが、空の高さ、青さに秋を感じる季節になってきました。畑を彩り始めた秋野菜のおやきづくりに精を出しています。

「大好きなおやきを味わって逝きました」

この夏、切なくて、ありがたくて、心がふるえるできごとがありました。うちのおやきを親子3代でご愛顧くださっているご家族のおじいさまが、90代でお亡くなりになったのです。

お客様の訃報を知り、悲しんでいたところ、娘さんがわざわざ来てくださいました。

「おじいちゃん、大好きなおたくのおやきを亡くなる前に味わうことができたの。量は少しだったけど、あんこを食べて、うれしそうにしてたわ」

老衰が進み、食事をあまり召し上がらなくなっていたので、わずかとはいえ、おじいさまがご自分から「食べる」ご様子は、見守るご家族を喜ばせたそうです。

おじいさまが亡くなられたのは、それから間もなくのこと。季節の関係で、一番の好物だったかぼちゃのおやきをお買い求めいただけなかったことが悔やまれますが、それでもうちのおやきを喜んで召し上がっていただき、つくり手として本当にありがたいことでした。

先代の味を現代のおやきに生かす

【おやきの和み】は、私の両親がお菓子屋さんを営みながら手づくりして販売していたおやきの味を引き継いで始めたおやき専門の工房です。

もちろん、通信販売やスーパーなどの店頭で購入しやすいパッケージや、冷めてもおいしさが変わらない皮の製法開発など、今という時代に合うおやきづくりを目指し、試行錯誤を繰り返してきました。けれど、味のベースは、80代を迎えて今も元気な両親のおやきです。

地元で収穫できる旬の野菜でつくる具の料理方法や味付けは、親から教えてもらったもの。菓子職人の親がおいしいと自信をもち、私も子どもの頃からおいしいと思い、【おやきの和み】の代表者である夫が県内外のいろんな方々に食べてもらって「おいしい!」と評価していただいた味です。

その味を、亡くなられたおじいさまも、そのご家族も大変好んでくださり、代が私たちに変わってからも、ご一家でご愛顧くださっているのです。

親子孫3世代の口に合うおやき

小さなお菓子屋さんを営んでいた実家の両親は、地域の方々の生活催事や冠婚葬祭のお役に立つお菓子や行事食を提供することを喜びとしていました。

長野では、おやきは主にお盆の行事食として欠かすことのできない行事食。それだけでなく、家族や親戚が集まる時、お客呼びをする時、遠来の方へのお茶菓子代わりに……など、年中食卓にのぼります。おやつや軽い食事として、おやきを食べることもよくあります。

そのため、実家ではいつも季節の野菜でこしらえたおやきを店頭においていました。そのうち、わざわざおやきをお買い求めに、遠くからも多くの方々がいらっしゃるようになりました。

店をやめてから、もう長い時間が過ぎましたが、親の時代のお客様、私たちの代になってからのお客様、そしてそのお子さんたち、3世代で私どものおやきを愛してくださる方が多いのは、ほんとうにうれしいことだと思います。

記憶に残るふるさとの味

「おふくろの味」という言葉があります。母の手料理などで子ども時代に経験した味覚は、ふだんは忘れていても、一口食べると懐かしさを覚えたり、子ども時代を思い出したりするきっかけになるのだとか。

かつて、家々の工夫が息づく家庭の味だったおやきですが、今はお店で買う方が一般的になりました。

だからこそ、「おふくろの味」のように、記憶に残るふるさとの味として、世代を越えて愛していただけるようなおやきを、専門の工房として提供していきたいと、いつも考えています。そのために、おいしさはもちろん、安心・安全な身体によい食品づくりを心がけていきたいと思います。

3世代が好きな【おやきの和み】

親子孫3世代に愛される信州の味、

【和み】のおやきはこちらからご購入いただけます。

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